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ここまでで僕とタクが互いを愛し合って信頼しあってるってのは理解してくれたよね?
どうしてこんな説明をしたのかと言えば、ひとえに今の状況にあるんだ。
僕は今、知らない女と机を挟み向き合っている。
場所は駅前近くの喫茶店。学校の帰りにいきなり声をかけられてさ。
「話がある」って言われたけど、敵意がビシバシ感じられて、タク関係かなーと思ったんだ。
別についていかなくても全然いいんだけどね。これ男だったら絶対行かないんだけど。
でも学校帰りに待ち伏せされてるってことは、今日断ってもまた次があるかもしれないじゃん?
それはそれで面倒だから、話聞くくらいならと、この女に着いてきたわけだ。
女は上品な服装で、でもちょっと気が強そう。でないとタクとのことで、僕のとこまで来ないだろうけどね。
不躾な視線を送ってくるだけで、なかなか話しださない女に、僕はため息を吐いてから声をかけた。
「で、タクのことでしょ?なんですか?」
僕がタクの名前を出すとキッと睨みつけてきた女は、注文した紅茶を一口飲んでからやっと口を開いた。
「単刀直入にお尋ねします。」
「なんでしょう?」
冷静さを意識して話す女に、僕もいたって冷静に話す。話の内容は、予想がつくから。
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