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まぁ元よりそんなこと言うつもりは微塵もないけれど。どんな状況だって、話し相手がタクでない限りは。
「タクが僕と縁を切りたいと言うならば、そうしましょう。」
今はこの女にかまっているよりも、タクと話をしなければならない。僕は流れでタクとコンタクトをとるようにと、そう言った。
女瞳を輝かせて「分かってくれたのね。」的な視線を送ってくるけれど。申し訳ないけど、貴方の気持は1ミクロンも汲み取っていないから。
僕はポケットから携帯を取り出し、タクに電話をかける。女は安堵したのか、紅茶を啜り余裕な態度。それ、癇に障るね。
コールはすぐに途切れ、愛しいタクの甘い声が耳元に直接響きわたる。
僕も同じように返したいけれど、そんな状況じゃないんだよね。
タク、僕はちょっと怒ってるよ？
「もしもし？トモから連絡くれの、珍しいね。」
上機嫌でそう言うタク。まぁそうだね。僕が連絡する前にタクが電話してくるか、会いにくるか、そんなことが多いから。
いつもなら、「そうかな？タクの声が聞きたくなって…、」くらいのことは言うけれど、さっきも言ったようにそんな状況じゃないんだ。
「タク？僕今ね、駅前の喫茶店にいるんだけどさ。」
とりあえずタクの戯れ事はスルーして、早速本題に。だって僕、結構イラついてるんだよね。
この女と一緒の空気を、少しでも吸いたくないな。
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