10月

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それに、やっと親父に会えるのが嬉しくて、余計踏ん張れた。 だけど、帰って来た親父は驚愕してた… 会えないと思ってた俺が、そこに居たから。 後で解ったけど… 俺はその日、捨てられたんだ。 事の経緯は、母親の至って身勝手なものだった。 離婚後、親父に対する怒りから、俺と会わせない報復を続けて… なのに裕福な暮らしからの転落は、 慰謝料と養育費・母子手当を受け取っても不便なもので。 再婚に励んでたら、出会った男にどっぷりハマって… 俺が邪魔になったらしい。 とはいえ、仕事尽くしの親父が引き取る可能性は低いと考え… 話し合う時間も惜しんで、無断の強行突破に出たようだ。 しかも、3日間ほど連絡すら取れなかったらしい。 当然、親父は困惑して… その様子に、俺は不安で一杯になったけど。 その不安感と、何となくな状況を察した親父は… ぎゅっと抱きしめて来て。 「ごめんなぁ…!」と、冷え切った身体を ずっと撫で続けてくれた。
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