418人が本棚に入れています
本棚に追加
/308ページ
それに、やっと親父に会えるのが嬉しくて、余計踏ん張れた。
だけど、帰って来た親父は驚愕してた…
会えないと思ってた俺が、そこに居たから。
後で解ったけど…
俺はその日、捨てられたんだ。
事の経緯は、母親の至って身勝手なものだった。
離婚後、親父に対する怒りから、俺と会わせない報復を続けて…
なのに裕福な暮らしからの転落は、
慰謝料と養育費・母子手当を受け取っても不便なもので。
再婚に励んでたら、出会った男にどっぷりハマって…
俺が邪魔になったらしい。
とはいえ、仕事尽くしの親父が引き取る可能性は低いと考え…
話し合う時間も惜しんで、無断の強行突破に出たようだ。
しかも、3日間ほど連絡すら取れなかったらしい。
当然、親父は困惑して…
その様子に、俺は不安で一杯になったけど。
その不安感と、何となくな状況を察した親父は…
ぎゅっと抱きしめて来て。
「ごめんなぁ…!」と、冷え切った身体を
ずっと撫で続けてくれた。
最初のコメントを投稿しよう!