10月

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少しして… 俺は施設に預けられた。 毎日、漠然とした不安に襲われ続けてたけど… 親父はちゃんと、迎えに来てくれた。 仕事を変えたり、正式に引き取る為の準備期間だったようで… 「今日から一緒に頑張ろう!」 って言われた時の嬉しさは、今でも忘れない。 そんな親父は、高1の春に他界した。 長年蓄積した疲労と加齢の追い打ちによる、過労死だった。 親父の借金は、相続放棄で支払い義務が無くなって… 俺は、親父の兄夫婦に引き取られる事になった。 …といっても、形だけ。 娘が既に成人した伯父夫婦は、我が子のように扱ってくれたけど。 血の繋がってない伯母は、次第に俺に色目を使うようになって、迫って来た。 露骨に拒んだら、逆に俺から迫られたと 伯父に嘘を告げられ… 激しい罵りの日々の後、部屋提供のみの保護者に変わった。 バイトで生計を立てて来たし。 卒業したら家を出るように言われて… そのつもりだったし、それ以来会ってない。
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