12月

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どんなに忘れようとしても… 気付くと、結歌を思い返すようになってた。 その思い出は鮮やか過ぎて… キミを失っても景色は歪まず、モノクロにも戻らなかった。 ただ、少しくすんでセピアのよう。 だけど… キミの居ない時間は、モノクロのように味気ない。 12月の街は、こんなに騒がしくて煌めいてるのに… * * * クリスマスなんて、どうでもよかった。 ずっと、生活するのに必死で… 周りの友達が、サンタとかプレゼントとかの話題ではしゃいでても、自分には関係ないと思ってた。 それに、給食のケーキで十分だった。 そんな小3のクリスマス… その年から、手伝いじゃなくて本格的に家事を始めてた俺は、手荒れが酷くて。 「いつもありがとなぁ!」って、親父が手袋をプレゼントしてくれた。 その頃残業が多かったから、無理して買ってくれたんだと思って… 俺は嬉しくて、思わず泣いてしまった。 それが、親父の事まで喜ばせたようで… 翌年からもプレゼントは続いた。
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