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君の心が読めたらいいのに。
読めたなら、こんなにも悩まなくていいのに。
冬、白い息が街中を漂う。
学校も変わり映えすることなく、クラスメイトが騒ぎ立てる。
そんな騒ぎに目を向けることのない君。
視線はいつも、机の上に広げてる本。
長い黒髪を、後頭部にひとまとめにして、知的なメガネがきらりと光る。
その目には、何が映ってるんだろう。
君の瞳に、僕は映ってるのかな。
視線が下を向いている時点で、隣の僕に関心がないのは分かってるのに、そんなことばかり頭に浮かぶ。
――君の心が、読めたらいいのに。
その無理難題が心の中を何度もめぐり巡る。
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