第1話

僕の使命

澄んだ夜空、そこで煌めくダイオードのような星が見下ろす本部への帰り道は、昼間は賑やかな雰囲気を出す市場がまるで無口になってしまったような静寂と暗闇の恐怖に包まれていた。

そんな中、冷えきった携帯電話が鳴った。

「はい、こちらレイジ。憑依成功しました。」
「ご苦労、万全の体制のために早急に戻るようにな。」
「大丈夫ですよ、リュウホウさん。今のところ敵の気配なんてないんですし。それに…」
「どうした？」
「もう1人の門番に見つかったとしても僕でも恐らくやり切れると実際思います。」

「馬鹿者が！！！」

「！？ す、すみません！」
「敵がどんな見かけ、状態であろうと事が起こらなければ何があるか分からないんだ！お前はまだ17だ、どんな相手だとしても油断しないことを忘れるんじゃない！！」

「い、以後気をつけます…。」
「分かったのなら早く本部へ戻りたまえ。」
そこで電話は切れた…。

レイジはより一層の寒さを覚えながら
駆け足で本部に戻るのであった。