『白砂の剣姫』

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人類の持つ技術が進化した世界…ノルヴァーク。 およそ1000年の歴史を持ち一つの広大な大陸を持つこの世界は、大陸最大国家『エルン』が領土を求め人類間の戦争を巻き起こしたのが引き金となり蕀の道を進むことになる…。 強大な軍事力を持つエルンはまたたく間に他国を占領し、このままエルンが全大陸を統一するかに見えた。しかし… ノルヴァーク歴1072年。 謎の敵『擬態獣』が突如各地に現れる。 擬態獣は統一前だったエルン国の精鋭たちを軽く蹴散らし彼らに甚大な被害を与えた。 やがて、擬態獣はエルンだけでなく各地にも被害を与え始めた。 国家間などという言葉は無く、ただひたすらに人を襲い続ける謎の捕食者…。 そのあまりの被害の大きさに人類は戦争を中断し、停戦協定を余儀なくされる事になる。 そして人類は協力し合い世界共通の敵『擬態獣』に抵抗を始める事になる…。 抵抗とはいえ、初めのうちは一方的な虐殺。 銃火器や刃物が通じぬ彼ら擬態獣から人ができる事は二つ…『逃げる』ことと『守る』事。 擬態獣との戦争が開始されてからおよそ1年の間はこれに集中する事になる。 物資が尽き始め…人員も不足し始め…人類はこのまま滅亡の一途を辿るものと思われた。 …しかし、エルンに支配されていなかった唯一の国『リシアーダ』に属する科学者がある武器を開発した事により事態は一変する。 その武器は『(けん)』。 多くの形状が(つるぎ)であった事からそう呼ばれるが実際には剣、盾、鎧、槍、鎌、斧、銃など…擬態獣に効果のある兵器を纏めて『剣』と呼んだ。 欠点こそあるものの、人の持つ生命力を同調させたこの武器は鋼鉄以上の硬度を誇る擬態獣の身体を容易に切り裂き、人類は銃火器に勝る圧倒的な力を手に入れた。 その科学者は擬態獣を完全消滅する為にギルドという組織を立ち上げ、今ここに反撃の狼煙が上がる…。 この物語はその組織に属する女戦士…イリスの物語である。 【イリス=ハーシェル《イラスト:mai様》】 image=505186534.jpg
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