リナリア、実家に帰る

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「それにしても、良くスカイ様が、リナリア一人でシラーに戻ることを許して下さったわね?揉めなかったの?」 くるくると綺麗に撒いたブロンドの髪が太陽の光に淡く照らされると黄金色にも見えた。 その髪を邪魔だと言うように、ジュリア姉様が持っていた白いリボンで無造作に後ろで一つに束ね始める。 「……そこまで過保護じゃないわ。私も一人で行動出来るもの」 姉様の目には、それほどまでに、スカイは私に甘く心配性に見えるのかと恥ずかしくなる。 照れている姿を隠すように、目の前の水盤に、千切った薬草を入れていく。 「あら、そうなの?スカイ様のことだから、付いて来るって聞かないのかと思ったけど?まあ、今回は仕方ないわよね……お父様の命日は他国の方は入れないもの」 スカイがシラーに来ることが出来ない理由を知っているはずなのに、ころころと軽やかに笑うジュリア姉様は、意外と良い性格をしていると、私は思う。 優しく綺麗で性格も良い5番目の姉は、何気に私をいじるのが楽しいらしい。 今は、温室で二人、ミモザお姉様に頼まれた薬草の調合を行っている真っ最中。
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