リナリア、実家に帰る

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「リナ、髪を結ばないと薬が付いて大変なことになるわよ。やってあげるわ」 何か言う前に、ジュリア姉様が私の後ろに周り、器用に髪を束ねていく。 「相変わらず、艶のある綺麗なプラチナブロンド…………なるほどね、スカイ様は相変わらず心配性でリナを溺愛中なのね」 姉様の手が止まり、いきなり何を言い出すのかと不思議に思っていると、髪を持ち上げられ、耳元で囁かれた。 「――うなじに残っているわよ?……所有印」 「――――っ!」 指でなぞられ鳥肌が立った。 その場所を手で抑え、思いっきり姉から距離をとり後ずさる。 「あら?恥ずかしがることはないでしょ?普通よ?……反対に羨ましいわ。ニックは奥手だから……」 ……心底驚いた。他の姉とも、こんなにもデリケートな話をしたことはない。 それに、ジュリア姉様はなにやら思い悩んでいる様子。 すでに、王女を一人産んでいるとは思えない、綺麗なおっとりとした姉の憂い顔に少々困惑した。
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