リナリア、実家に帰る

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そして、そう言えば、ジュリア姉様の旦那様の話を詳しく聞いたことはなかったと思い、そろそろと近寄り口を開く。 「ジュリア姉様は……嫌じゃなかったの?政略結婚」 聞いてみたかった。どんな苦労があったのかと。 「えっ?政略結婚?……そっか、リナリアは知らないのね。実は言いにくいのだけど……私は政略結婚ではないのよ……私がレジーナ王国へおしかけたのよ。家出同然でシラーを出たの」 衝撃的だった。 まさかの姉の告白に固まってしまった。 パクパクと口を開けて動かない私に、申し訳なさそうな顔をしながら、まだ恋を知らない乙女か!とツッコミたくなるほど頬を朱に染め、モスグリーンのドレスの裾をいじりだす。 「この話はミモザお姉様しか知らないの。だから他のお姉様達には言わないでね。本当に申し訳ないと思っているわ。私、以外は皆……望んだ結婚ではなかったのだから」 申し訳なさそうに詫びる姉に、首を横にふる。 「ううん。私は大丈夫……今は幸せだもの。でも……ジュリア姉様が行きたいと願ったの?」
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