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「ちょっと、リナリア聞いてる?それまでの紆余曲折はそれは大変で――聞いてるのリナリア!これからが重要なのよ」
聞いていないとバレたのか、ジュリア姉様が抱き付いてくる。
ここまで来ると面倒で、もういい加減にして欲しいと思うが、姉様は中々離してはくれず、聞いてとうるさい。
「――あら?私も混ぜて貰える?その紆余曲折のお話」
神の助けとばかりにほっとし振り向くと、大人っぽい黒地にラベンダー色の裾が広がるドレスを身に着けたエリカお姉様が現れた。
「エリカ姉……様。体調は大丈夫なの?」
一瞬で大人しくなったジュリア姉様は、なぜかエリカお姉様に話す気はないらしい。
目を泳がせ、違う話題を見つけようとしている。
「ええ、体調は問題ないわ。大丈夫よ、ありがとう。それで、何が紆余曲折なの?ジュリア?」
鋭いエリカお姉様の視線に、ジュリア姉様は私を見てプラチナブロンドに手をかける。
「リナリナの話よ。スカイ様と色々あったけど、仲良くやっているわねって話てたの」
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