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* 12月も4週目。 朝から積もった雪は夜になって尚、街を白くさせる。 吐いた息は白く空に溶け、足元からキンと冷えた空気が上がる。 マフラーに顔をうずめながら、寒くて女3人くっついた。 「……クールな課長が少しテンション高い気がするけど、」 ぞろぞろと会場となっている店へ歩きながら、隣で八重子がちらりと後ろを振り返った。 「そりゃそうでしょう。今日は雪野さんもいて、帰るところは一緒だもの」 花音が一緒に振り返っていた顔を元に戻し、すっと私たちへ視線を流した。 「花音は早く正月休みに入りたいんだよねー?」 「当たり前でしょ、栞。もう音くんと一ヶ月半逢えてないもの」 花音は何気なく、左手薬指に納まる指輪に触れた。 「七瀬も岬さんと一緒に歩いてるし、うちの会社、恋愛に関してオープンすぎる!1人身には辛いのよ」 八重子は両手を拳にして口をとがらせた。 「極めつけは、アレよねー」 八重子がジロリと視線を向けるのは、神崎君にくっついて歩く雛子ちゃんで、私もちらりと視線を向けて、痛む胸に目を伏せた。 「あんなに積極的になれて、うらやましい」 ぼそりと呟いた声はしっかり両端の二人が聞いていて。 「言ったでしょ、栞。彼、それほどベタコちゃんのこと気にしてないって」 「あんなにくっついてるのに?っていうか、むしろ嬉しいんじゃないの?」 私が男で彼の立場なら、あんなに可愛い女の子にくっつかれて嫌な気はしないだろう。 そっけない私より、よほど。
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