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忘年会の間中、神崎君にくっつく雛子ちゃんが視界に入る。 課の忘年会でも同僚と飲んだ時同様具合が悪くなり、そのたびに神崎君がまた気にしてくれるから、雛子ちゃんの痛い視線を浴びてまた具合が悪くなり。 なんだか悪循環……。 その日は折角送ってくれると声をかけてくれた神崎君と陣内君を断って、1人、のんびり歩いて家に帰った。 そしてまた。 今日は今年最後、部署の忘年会があり。 「お前、今日はあまり飲むなよ?」 隣から覗きこんだ神崎君に苦笑を洩らした。 「なーにが楽しくて、イブの夜に会社の忘年会なのかしら?」 「お前は相手いないんだから1人にならなくてよかっただろー?」 「陣内、うるさいよ!」 八重子が頬杖をついて思い切りため息を吐いた所で陣内君がにやりと笑ってからかった。 七瀬君も2次会は行かずに岬さんと二人きりになるって言ってたし。 課長も雪野さんと楽しそうだし。 ちらりと隣の神崎君を見上げた。 今日は今のところ雛子ちゃんは別のテーブルだ。 ほっと息を吐いて、それから思い切って神崎君に声をかけた。 「食べたいもの、取るよ?」 「ん?いいのか?じゃあ、」 あれと、それと、指し示す長い指に頬が染まる。 取り分けたお皿を手渡して。 「ありがとう」 かけられた声に顔が緩んだ。 自分の分も取り分けたら。 「ずっと思ってたけど、お前全然食わないよな?」 隣で神崎君は頬杖をついて私を覗き込むようにした。
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