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ふわふわと舞い降りる大粒の雪は、やむ気配はない。 はぁーって大きく空に向かって息を吐きだして。 それからキッと見上げた。 神崎君は、私を送ってくれるって言ってくれてたじゃない。 それを、あのこが来た事で自分が遠慮してしまっただけ。 もっと、強い心を持ちたい。 もっと、積極的になりたい。 もう一度大きく息を吐いて、自分の嫌なところを吐きだすように。 全部、一緒に消えればいい。 吐き出した白と一緒に、消えてなくなれ。 ふわりと浮かぶ吐いた息は雪の中、澄んだ空気に溶けて消えた。 よし。 足を踏み出して、改めて駅へ向かう。 お目当ては美味しいケーキ。 大通りに出れば華やかなビルが並び、金色に光る道をゆっくり歩いて楽しんだ。 そのまま真っ直ぐ歩いて、突き当たりは大きなツリー。 毎年電飾で彩られるそれは、今年は何色だったっけ? あんなに綺麗なツリーの色すら覚えていない程、何事もなくこなす毎日も。 全部、吐き出してやった。 のんびりした歩調を速めて、大きなツリーを目指した。 あぁ、今年は赤だったんだ。 そのツリーの麓まで歩いて見上げる。 あぁ、綺麗だなぁ。 こんなに綺麗なら、神崎君と見たかったなぁ。 やっぱり心に残る後悔はそのままで、てっぺんに光る星に視線を向ける。 周りの雑踏は楽しそうにゆっくり歩く音ばかりだ、そう思った矢先に聞こえてきた走ってくる足音と、 「成宮っ、」 呼ばれた声に驚いて肩を飛び上がらせた。
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