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その言葉の意味を早く理解するにはまだお酒がまわり過ぎていて。 思わず怪訝な顔で首をかしげてしまったら、神崎君は照れくさそうに頬を掻いた。 「姫野からはさんざん好きだとかいわれたけどさ。俺、本当になんとも思ってなくてな。申し訳ない事した」 「……え、送って行って部屋に上がったんじゃないの?」 「あ?だからアレはあの場で否定しただろ。お前は聞いてなかったみたいだけど?」 ……確かに聞いてなかったみたい。 苦笑を洩らす神崎君から、気まずくて視線を反らせた。 「姫野に告白を断った理由を散々問い詰められて、俺は成宮の事が好きだからって言ったら、成宮の気持ちを確かめるにはどうのこうのって……もう、説明するのが面倒」 がしがしと頭をかき混ぜた神崎君は大きく息を吐いた。 それを見ながら私は、徐々に顔が熱くなっていく。 心臓はドキドキ加速して、全身が心臓になったみたいだ。 えっと、いま、何て言ったの? 神崎君、私の事…… 「成宮。姫野の口車に乗せられたとはいえ、お前の気持ちを試す様な事をしていて悪かった」 神崎君の説明のピースがうまくはまるには、もう少し時間と酔いが覚める事が必要だけれど。 「俺はずっと成宮の事が気になっていて、好きだと気がついた。お前の気持ちを聞かせて欲しい」 つい数分前まで思いもよらなかった彼からの告白は、ちゃんと心が理解した。 ほら、栞。 勇気出して。 さっき、弱い心を全部吐き出したでしょ? はぁー、もう一度弱い部分を吐きだして。 それから息を吸った。 「私も、神崎君の事、好きです」
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