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「他人事だと思ってぇ」
「そうね。他人事だもの」
くそーっ、ツンデレ花音め。
思い切り頬を膨らませて睨んでやったら、花音は私の頬をつんとつついた。
その左手の薬指にはキラキラ光る婚約指輪がはまっていて。
「いいなぁ」
思わず呟いてしまう。
「私が見た所、彼、あのことそんなに親しげじゃないけどね」
えっ、本当!?
がばっと顔をあげたら花音の綺麗な流し眼が優しく細まって。
「私は栞の方がいいと思う」
「花音ちゃんっ!好きっ!!」
「うわっ、ちょ、栞!抱きつかないで!」
「かのーん、私のとこにお嫁にきなよー」
「バカ言わないで。私は音くんしか……って、アンタはこういう事、アイツにしてみればいいじゃない!ベタコちゃんみたいに!!」
「できるわけないじゃないっ!」
「栞!酔った振りっていうのもテクニックのうちよ!!」
「八重子までそんなこという!?」
「よし、成宮!とにかくその作戦やってみりゃいいじゃねーか!」
「待って、待ってよ、陣内君まで言いだすわけ!?」
「それがだめなら、俺と付き合えよ、成宮」
「……何言いだすの、陣内君。っていうか、みんな、ヒューじゃないから!話の流れ聞いてたなら私が誰を気にしてるかって……」
みんなほろ酔いでテンションが高いのを何とかしようとしたら。
「おっ!みんな盛り上がってんな?」
神崎君がやってきた。
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