第1章

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ノイズ…あっ! 思い出した! 巻き戻したテーブを再生するように、今までの出来事の逆再生と再生の画像が脳裏を駆け巡る。 ……どうしよう…俺……死ぬ… 「二十歳になったら命を貰いに行くね。必ず行くから…約束だよ。」 俺の命…借りてたんだ…。 子供の頃に俺…死んでたんだ。 交わした約束…二十歳まで臓器を育てて、その代わりに今、消える命の灯、二十歳まで貸してあげる。 俺の臓器は移植される…。 俺…今まで忘れてた…。 だけど、約束は守らないといけないよな。 小学校で終わるはずの人生が中学、高校、大学まで行けて、考えてみれば、子供の俺がした選択は正解だったんだ。 二十歳まであと7日…。 今日が最期のように毎日生きよう。 明日でいいや、は、俺にはない。
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