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「う、うーん。あんまり好きじゃないかな?」
「そーなんだ。私は好きだよ!水溜りをぴちゃぴちゃするの楽しいし、何より賑やかだから!」
賑やか。
ザーッという音のことを言っているのだろうか?
今の俺には雑音にしか聞こえない。
純粋な心を持っていれば賑やかと思えたのかな・・・。
「君は純粋だね。」
「じゅんすい?」
「心がキレイってことだよ。」
「えへへ、ありがと!」
変わらず傘で隠れて顔は見えないが笑っていることはわかった。
「お兄ちゃんは大切なものある?」
大切なもの、か。
携帯電話を取り出し、それに付いているストラップを少女に見せた。
「これかな。なんで大切なのかは思い出せないんだけど、捨てられないんだ。」
「可愛いクマさんだね!」
ビーズで作った小さなクマだ。
「君の大切なものは?」
そう聞くと嬉しそうに足踏みをした。
「私はこの長靴!しんちゃんにプレゼントしてもらったんだ!」
黄色いその長靴は汚れがなく新品のようだった。
「しんちゃんって、お友達?」
「そうだよ!家がお隣さんなの。」
名前的には男の子。
女の子にプレゼントするなんてやるなー。
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