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ー12年前ー
俺が小学四年生の頃。
田舎だったために家の周りは山、田んぼ、山。
道すらもちゃんと整備されていない。
ただ唯一隣に一軒の家があった。
そこには赤ちゃんの頃から一緒に育った女の子が住んでいた。
名前は美加。
活発で明るい女の子。
賑やかなことが好きで、よく隣からピアノの音が聞こえてくる。
近くに同世代の子がいないから毎日のようにずっと2人で遊んでいた。
山で遊んだり俺の家の隣の柿の木で木登りしたり。
「しんちゃん、柿くーださい!」
「しょうがねーなー。」
食いしん坊な美加はいつも俺を頼って柿を手に入れる。
うちの柿の木なのに、実っている柿の八割は美加の胃袋の中に吸収されているんじゃないかな?
木登りに慣れている俺は猿にも劣らないスピードで果実に達した。
「ほらよっと。」
美加へ投げ渡すと、上手く取れずに落としてしまった。
「うわー!汚れちゃったよ!」
「取るの下手くそだな、美加は。」
かっかっかと笑いながら馬鹿にすると美加はムッとする。
「まあ、洗えば大丈夫だよ。家の中入ろう!」
「うんっ!」
木から飛び降りた俺は家の中へと走って入った。
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