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『どうして、泣いてるの?』
私は、あの日、泣いていた。
彼は、あの日、笑っていた。
そんな二人は約束をした。
彼は、
『君だけは、僕の事を忘れないでね?』と。
私は、
『また、会おうね。』と。
約束が、せき止めていた、時をまた、流すように。
彼は笑って。
何処かに去った。
後には、雪だけがちらちらとふっていて。
でも、忘れないでね。そういった彼が、あまりにも。あまりにも。悲しそうな顔をするから。
あまりにも無責任な約束をかわす。
彼は、忘れ去られた神様。
彼は、私とは、反対で。
私が正なら、彼は邪。
彼が正なら、私は邪。
彼は、なんでもない神様だった。
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