神様との約束事。

やくそくだよ？

あの約束から二十年近くたった。

まだ、あの約束は守り切れているけれど。
自己紹介が遅れた。
私の名前は、花依三葉と言う。

魔法は存在しないが精霊やら、魔物やら、神様やらが存在するこの世界で、私は生きている。

なんでもない神様は、無と名乗った。
存在していて存在しない存在だと、彼は言った。

……存在を三連発もすると、自分でもこんがらがってくる。

「三葉ちゃーん。」

友達の焔ちゃんが走ってくる。
一応言っておくと、彼女は精霊だ。

炎の精霊である。