1人が本棚に入れています
本棚に追加
ギーーッ!大きなブレーキ音と共に電車が大きく横揺れする。
私は体勢を崩して背後によろめいた。
「痛ェッ!」
後ろから若い男の悲鳴が上がる。
いけない、パンプスの踵で男の甲を踏みつけてしまったのだ。
「ヤダ、ごめんなさいごめんなさい。」
「あ、大丈夫大丈夫。大して痛くもないのに、つい、脊髄反射的に痛いって言っちゃった(笑)」
そんな訳ない。凄い勢いよく踏みこんでしまったもの。相当痛かったハズだ。
「本当にすみませんでした。気をつけます。」
「うん。もう気にしないで。」
「ありがとうございます。」
お礼を言うのも何だかヘンな感じだが、好意に甘えさせてもらうことにした。
最初のコメントを投稿しよう!