しまった、文字数使いきったよ。

6/6
前へ
/6ページ
次へ
おさげはそのままだね、と笑う男の子。 部屋の中をふわふわと漂いながら、たまに逆さまになったりする様に、彼が本当に幽霊なんだと思い知らされる。 「君がまさか、兄さんを呼んでくるとは思わなかったんだ」 あの時呼んだ高校生のお兄ちゃんが、この男の子のお兄さん? 「まぁ、詳しい話はまたゆっくりね。時間はいっぱいあるからさ」 「時間……?」 男の子は頭の後ろで腕を組みながら漂っていたのをやめて、私にぐんっと顔を近付けた。部屋の奥が透けている。 「君が僕の箱を大切に守っていてくれたから、もうひとつ約束をするよ」 「約束?」 「うん、僕は君をずーっと守ってあげる」 「なにから?」 きょとんとする私に、男の子は「なんでもから」と微笑んだ。 それなら、と私は箱を手の中に包み込み、顔をあげる。 「それならまずは、私と約束して」 「うん、なにかな」 「名前を教えてちょうだい」 「ふふ、それ、約束?」 「……う、あと五十文字以内で教える事!」 「それじゃ約束じゃなくて、命令……」 約束を守っていたその先には、新たな約束が。そして、年下の幽霊との同居生活が始まった。
/6ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加