突然の手紙。

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「記憶がないの?」  孝太は首をかしげた。 「今朝おどろいたら、体が大きいなっとたちや」  無造作にソファに投げ出された孝太の手に手を重ねた。  何も言葉はかけられなかった。 「こじゃんと時間が過ぎちゅうとは……」 孝太の話だと、高校一年の冬までは記憶があるらしい。 今朝起きたときからだと言っている。 成美は少し前から症状があるのだと思った。 記憶喪失と、孝太の母親が伝えてきたことは結びつかなかった。 何か他の大きな病気が原因の症状なのかもしれない。  成美は不安になって、思わず孝太の腕にしがみついた。 「大丈夫やき。なんちゃじゃない」 孝太が、成美の肩に一瞬触れて、すぐに離した。 「こがーに寄りゆうは、いかんぜよ」  成美は、体を離した。 「体がな、自分のやないようやき」
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