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ピピピピ…
(ヤッベー、後ろからワッてやったら胸を押さえてウッて倒れちゃった)
お前のせいかよ!
仕事中にイチャイチャすんな。
なんにせよ不幸中の幸い、さっき心を読んだヤツの中に医者がいたな。
ソイツが名乗り出れば墜落は阻止出来るだろう。
案の定、すぐに立ち上がって名乗り出る者がある。
「私は医者です」
ピピピピ…
(歯科医だけど)
歯科医かよ!
なんで名乗り出た?お前役に立たねーよ?きっと。
「こちらです。お願いします」
CAさん騙されないでー。そいつ歯科医ですよー。
ピピピピ…
(やったー。医者GET。連絡先交換するぞ)
CAもCAだなオイ!
こんな時に何考えてんだ。パイロットが彼氏じゃないのか?
「はい。行きましょう」歯科医はキリッと背筋を伸ばして歩き出す。
なんか恰好つけて行っちゃったよ。大丈夫かな?
それから5分もしないうちに歯科医が操縦室から出て来た。
え?もう終わったの?
ピピピピ…
(イケると思ったんだけどなー)
イケねーよ!
なんでイケると思ったの?
操縦中に歯が痛くなっても医者呼ばねーだろ。
医者呼ばねーでバファ○ン飲むわ。
続いてCAも操縦室から出て来て、また呼びかける。
「他に…」
ピピピピ…
(ちゃんとした)「お医者さまはいらっしゃいませんか?」
いや歯科医もちゃんとしてるからね。
まー確かに今は受け入れられないだろうけど。
ピピピピ…
(連絡先は交換したけど)
儲かるもんねー、歯科医。
そこは受け入れるんだねー。
「はい。私…」別の乗客が名乗りを上げる。
お、今度はちゃんとした医者か?
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