第3章

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だいきside 「なんかあったら連絡して。こっちはなんとかしとくから」 ブレザーを羽織ったゆうとは、真剣な表情で言った。 「…ああ…」 「絶対見つけてやるから」 そう、ゆうとは学校に行った。俺はまた、あの学校に通えるのかな。またみんな、人殺しと冷めた目で俺を見るのだろうか。 「だいき」 「…はっ…」 父さんの声だ。父さんが近くにいるんだ。 「だいき」 「…くるなっ…」 慌ててベッドを飛び出して辺りを見回すが、その姿はどこにもなかった。でも、その声は途絶えない。 「やめろっ…」 スウェットで靴も履かずに家を飛び出し、彼の家のチャイムを鳴らした。 「…ゆうりっ…ゆうりっ…」 「…はい…」 「ゆうりっ…!開けて!だいき!」 そう伝えれば、カチャンと音がして鍵が開いたことが分かった。
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