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オレは疾風のごとく、ちあきにキスをした…。
ちあきが、ゆっくりと言葉を発する。
「…心一様、お約束、果たしていただいて、ありがとうございました…」
…あ、ああ、ちあき、泣き出しちゃったよ…。でも、お礼を言われたから、正解だったんだろう…。
ってまさか! これって、ちあきの策略かぁー!! ああ! やっちまったよぉ――!!
「それでは、心一様! 心一様がわたくしをレディーだとお認めになられたら、キスしてくださいませ!!」
…オレが10才の時にはっきり言われちゃったからな…。まさかここでこうなるとは…。
…いや、このグラウンドで始めてちあきと出逢った。そして、このベンチで始めて話をした。ここが、ベストポジションだったんだろうな…。
空は青く、あの日のように澄んでいる。
結局オレは、ちあきのレールに乗せられたが…。
しかし、それでいいと、オレは思った。
―― おわり ――
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