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「恭司様! 心一様を、確保です!!」
…まただ…。またちあきは…。
オレって、ずっと逃げてるよな…。いいトレーニングにはなるんだけど…。
…ん? キョウジさんからブロックサイン…『話がある…昔の…グラウンド』。オレは、『了解』と返した。
オレはいきなりトップスピードで疾風のごとく、ちあきに突っ込んだ。…読まれてたか…。笑ってやがる…。
オレはちあきの横を抜け、校門を突っ切った。真っ直ぐ走れば目的地だ。
「シンイチ! 早くなったね。オレ、負けちゃうかも!」
…冗談でしょ、キョウジさん…。全力でないことはわかってますよ。
オレ達は疾風のごとく、オレ達の思い出のグラウンドに向かって駆けている。
山王恭司、オレと一緒で、将来が決まっているひとり。去年はプロ野球選手として、佐伯監督に継いで伝説的な記録を残し、たった一年で引退した。ピーチパラソルコーポレーションの警護SP部隊、総司令補佐としていきなりの抜擢。ちあきの思い通りだった。でもオレは、そうはならない。オレは野球をずっと続けるからな!
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