序章

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 開いた眼差しを右手に落とすと、ロイドはギュッと握り込む。 「__よし、やるか」  全ては、かけがえのない親友の為。  聖都や巫女姫がどんな目にあろうと、知った事ではない。 「俺は、今晩__」  今晩、ロイドは巫女姫を聖都から誘拐する。そう、彼は心に決めたのであった__。 『俺は、今晩__』  唐突に耳に届いたその声に、アリアは振り返った。  けれども、そこに声の持ち主の姿はない。
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