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「ッ無視する…なんて、つれ…ないな。イケな、くて…はぁ、生殺し、だ。…はっ、ぁ…手に力が入んね…あんた、抜いてくんない?」
懇願するような口調に反して、梛音は挑むように艶やかな表情で四ノ宮を誘う。
同時に、膝に手を当てがい、自ら下肢を大きく広げて、中心の屹立を四ノ宮に見せつけた。
少年と呼ぶには、彼は余りにも大人び過ぎてしまった様だ。彼をこの様にしてしまった背景には一体何があるのだろうか。
今の梛音からは、陵辱された事への恐怖も怒りも、痛みすらも感じられない。
また他人に救いを求める術すらも、知らないのではないかと思われた。
「驚きました、貴方は大人顔負けの精神力の持ち主のようですね。どうやらわたしは、完全に貴方を見くびっていたようです」
改めて梛音に向き直ると、四ノ宮はにっこりと優雅に微笑んだ。
至って穏やかな表情なのに、観る者を威圧するような迫力が感じられる。
この四ノ宮と言う人物もひと筋縄ではいかぬ人物のようだ。
「どうやら、貴方とは大人の対話が出来そうですね。では、本題に。残念ながら梛音くん、わたしは貴方の誘いには乗れません」
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