第8章  流れの行方(続き)

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第8章  流れの行方(続き)

~ * ~ ……さん。 遠くの方で声がする。しかし、 「中谷さん?」 次の瞬間、はっきりと背後から掛けられた声に気付き、 慌てて那々は振り返った。 「は、はいっ」 「大丈夫? どうかした?」 そこには、パティションの向こうで立ち上がる立花の怪訝そうな顔。 それでようやく、自分がちょっとトリップしていた事に気付いた。 「いえ、すみません。なんかぼんやりしてました」 すると、立花に小さく苦笑を浮かべられる。 「大きな山を一つ越えたからね。ちょっとホッとしちゃったかな」 だがそれに、今度は、那々が苦笑を浮かべた。 いや、仕事じゃないんだけど――。
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