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「は、はいっ。もう、十分すぎるくらいに」
しかし、
「そう。なら、良かった」
じゃあ、後は頼む。
何事もなかったように那々から視線を外したデザイナーは、
立花に向かって短く言う。
なんとなくホッとするような、ちょっと寂しいような
複雑なものが、那々の胸に浮かんだ。
しかし、もちろんそんな事など知らぬ立花は、
暢気に週末の確認なんかをしている。
「あぁ、そういや、7時でいいんだったな?」
ところが、それにデザイナーがビックリするような事を口にしてきた。
「ああ。謙悟が、えらく張り切ってる。
あっ、君も手ぶらで来てよね。そうだ。なんだったら、彼氏も一緒にどうぞ」
ギクッ、と心臓が思いっきり縮まった。
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