第8章  流れの行方(続き)

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ちょ、ちょっと? どうしたっていうの?! だが、胸の内の言葉は声にならない。そして、 「ねぇ、木曜までのいつでもいいから、会えないかな? っていうか、どうしても会いたいんだ」 えええっ?! どうしたの? いったい、何がどうなってんのぉ!! しかしやっぱり、彼女の心の叫びは声にはならず、 ただ短く「うん」と頷き返す。 そして通話の切られた後、もう彼女の頭の中は空白になるほど混乱していた。 ところが、もちろんそんな彼女の事情など知らぬ立花までが 意外な事を言ってきた。 土曜の夜って、デート? だが今の那々の状況からは、当然答えはこうなる。 「いえ、別に……」 「じゃあ、もし良かったら一緒に月見をしない?」
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