第8章  流れの行方(続き)

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は?  確かに、今度の土曜日は中秋の名月だし、 しかもその日に、世間が浮き立っていた皆既月食だってある。 だが、どうしていきなり上司から月見に誘われたのか。 そして当然ながらの反応として、那々は戸惑った。 「あの、立花さんとですか?」 ところが、この明らかな彼女の困惑を感じ取った立花の顔に 苦笑が浮かんだ。 「まぁ俺も行くんだけど、朝比奈に誘われてね。 というか、正確には、今アイツの所に居る……」 しかし、なぜか言葉を切った立花がハッとする。 そして、 「そう言えば、その今アイツの部屋に居候決め込んでるってヤツ。 彼は、アイツの恋人なんかじゃないから」 えっ……。 いきなり変わった話題に、更に別の戸惑いが那々に広がる。
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