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シェリルの所に戻って隣に座り、逃げ出さないように両手で顔を包み込んだ。
「何泣いてるんだよ」
「泣いてなんかないわよ」
涙ぐんでいるのに、相変わらず意地っ張りなシェリルはそれを認めようとしない。
「…たまには私が作りたかったのよ。奥さんなんだし」
「別に俺はお前に家事してほしくて一緒に暮らし始めたわけでも結婚したわけでもないし、それに自分から言っただろう、料理も掃除も下手で俺にワガママ言って迷惑かけるって」
互いの気持ちを言い合った、無人の惑星に二人でたどり着いた時の話を出した。
「…よく覚えてたわね」
「そりゃ覚えてるさ。一緒に暮らすか?って言い出したの俺だし。それに、あの時お前の気持ちちゃんと聞いて、俺がどれだけ嬉しかったか」
この話をするのはもしかして初めてか?なんて思いながらシェリルを見ると、また涙ぐんでいる。
本当、泣きそうなのを必死に堪えているコイツの表情って良いよなぁなんて思いながらいると、シェリルが手を重ねてきて笑顔を返してきた。
そこでその顔は反則だろと思いながら、告白し合った時の話の続きをする。
「あの時も泣いてたな」
「そうだっけ?」
あくまでとぼける気だな。
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