後編

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「よぉ、元気そうじゃねぇか…荻窪」 「あ…お久し振りです、中原部長」 「もう部長じゃねえだろ。嫌味か?」 「ええまあ……。ささやかな仕返しですよ」 「仕返しだと?」 「騙されたのを根に持ってますから。奈央があなたに俺のことを相談してたなんて嘘だったんだ」 「あれまさか本気にしてたのか?」 「完全に信じたわけじゃない。でも俺と奈央しか知らないはずの話をアンタの口から聞いたから。もう今更だけどな」 「どうして俺が知っていたのか、置き土産代わりに教えてやりたい所だが今更なんだろ?やめておこう」 あの時の2人の会話の内容を知ることができたのは"未必の故意"だ。 いや、幸いな誤算とでも言うべきか。
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