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今日は火曜日。
シュウナの手を引き部室にたどり着くと、重たい横引きの扉を開ける。
中にはまだ誰もおらず、外より少し冷える部室に入るとシュウナは俺の手を一瞬だけ握り返した。
「少し寒いね、暖房つけようか」
コクリと頷くとシュウナは俺の手から離れ、無造作に床へと置かれていた毛布を肩に羽織りソファへと座る。
暖房をつけ、俺もシュウナの隣へと腰掛ける。
「ねえ、シュウナ。どうして俺の手、握り返してくれないの?」
「……シュウナとマツリは…好き同士、ちがうから…」
こちらにチラ…と目線を寄せたシュウナは、少し困っているような表情でそう答えた。
「……っ、そっか」
返答に困っていると
ちょうど部室の扉が開く。
そこにはシュウナの幼なじみであるソウの姿があった。その姿を見るとシュウナは駆け寄りソウに向かって両手を伸ばした。
ソウは何の戸惑いもなくシュウナの脇下に腕を差し込むと、軽く抱きしめ はいはい といった様子で背中をぽんぽんと叩いた。
「なにかあったのか?」
ソウは、シュウナになにかあったのか?と”俺に”問いかける。
「う~~ん?とくには?」
「……」
俺を疑うような目でこちらを見るソウ。の視線を避けるように携帯に目をやると一件のメッセージが来ていた。
『今から会える?』
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