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それを受け取ったみゆきは目が点になっていた。
「若林君、何これ、私は子供ではないけど」と言うと今までしっかりと相手の顔を見たことがなかったみゆきは今はじめて相手の顔を見た。
端正な顔立ちに整えられた髪の毛、イケメンだ。
「結婚しよう。約束覚えているかい。僕の花嫁さんになってくれるって言ったよね。やっと探し出したんだよ。みゆきちゃんは忘れているんだね。早く思い出してほしいな」と言うとみゆきの手を掴む。
みゆきは遠い記憶に思いをはせていた。
そう言えば小さなときに祥吾君からプロポーズされたことがあった。
みゆきはまた驚きながら「もしかして、祥吾君なの。えーまじ」と言う。
若林君は「そうだよ。祥吾だよ。思い出してくれてありがとう。約束を果たしてほしいな」と言う。
みゆきは苗字をすっかり忘れていた。
若林祥吾そうだ、そう言う名前だった。
みゆきは思わず、「はい」と答えていた。
それからお互いの両親にあって結婚までの段取りを組んだりと忙しい日々を過ごしていく。
みゆきはあの小さな約束が現実になって行く事に驚いていた。
小さな子供が交わした。約束。
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