初めての大仕事

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「どうしました!?乙葉さん!」 「こ、これ・・・。」 彼女は封を開いている手紙を指差した。 坂本がそれを取り、中を見るとまたしてもカッターの刃と1枚の手紙が入っていた。 「なんで・・・。今回はすべてチェックさせた筈なのに!」 坂本は取り乱しているようだ。 手紙の内容は、新聞の文字を切り貼りして書かれているようだった。 『歌手を引退しろ。さもなくばお前を殺す。』 「誰が・・・誰がこんなことを・・・。」 涙目で怯えている。 「大丈夫、乙葉ちゃん落ち着いて。これから仕事だからメイクを一回直そう。」 落ち着いた坂本が催促する。 これに俺は少し腹が立った。 「坂本さん!こんな時でも仕事ですか?こんなに怯えているんです!休ませてあげてもいいでしょう!」 「いいんです。私もこれでもプロの歌手です。こんな事にヘコ垂れて仕事を投げ出す事はできません。それに休んでちゃこの犯人の思うツボですもんね。」 「乙葉さん。」 こんなに頑張ってる子を辞めさせようとしてるなんて、何が目的なんだろう。 「準備お願いしまーす!」 番組のADが乙葉を呼びに来た。 メイクを直すと表情を明るくさせて楽屋を後にした。
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