初めての大仕事

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ーテレビ局 城戸乙葉楽屋ー 「おはよう、乙葉ちゃん。今日もよろしく頼むよー。」 乙葉の楽屋に番組のディレクター野本浩二(のもとこうじ)が挨拶に訪ねた。 今日の仕事は歌番組の収録。 「はい!よろしくお願いします!」 「いつも元気があっていいねー!ところで、その人は誰?」 俺に向けられた言葉だ。 「えと、この人は」 「僕はマネージャー見習いとして今日から乙葉さんに付けさせて頂いております、渡辺と申します!よろしくお願いします!」 乙葉の言葉を遮り丁寧に挨拶をした。 事務所に話を通し、側に居られる様にマネージャー見習いとして入れてもらえた。 「そうか。よろしく頼むよ。」 野本はなかなか優しそうなおじさんという感じだ。 マネージャー見習いという肩書きなので乙葉のマネージャーも付いている。 「マネージャーの仕事はスケジュールの管理や仕事の交渉、おつかい、あと・・・ファンレターの管理など。」 今回の件のことが頭をよぎったのだろう。 少し間を置いて言った。 マネージャーの名前は坂本勇樹(さかもとゆうき)。 俺と同い年くらいでいかにも誠実そうな男。 仕事が出来るオーラが凄まじい。 「まだ共演者が挨拶に来るだろうから失礼がないようにね。って言っても桃太君なら大丈夫そうだね。」
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