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「はい、お任せください!」
「ちょっと僕は席を外すから頼んだよ。」
楽屋から坂本が出て行き、俺と乙葉の2人になった。
「あの、桃太さん。ここまでして頂いてありがとうございます。」
「いえいえ、当然の事です。それよりも殺人予告犯のことなんですが、誰か心当たりのある人物はいませんか?誰かに恨まれていたりとか。」
乙葉は首を傾げて眉を寄せた。
「うーん。ごめんなさい、思い当たりません。」
「そうですか・・・。」
今のところ手掛かりはない。
彼女を恨む人物か、熱狂的なファンの犯行か。
考えていると共演者が部屋を訪ねてきた。
「おはようございます。乙葉さん。今日はよろしくお願いします。では。」
あっと乙葉は声を漏らしたが、楽屋を訪ねた彼女は冷たい顔と声で言い放った後はすぐに部屋を出て行ってしまった。
「なんなんですかあの人。失礼な人だなー。」
「・・・彼女は同じ事務所の後輩で三浦愛子(みうらあいこ)ちゃんって言います。事務所に入った頃は好意的だったんですけど、最近はあんな感じなんです。」
そういえば少しテレビで見た事がある気がする。
中高生に人気があるアイドル寄りの歌手。
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