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曲の歌詞が共感できるという理由から最近テレビに引っ張りだこだ。
乙葉よりも最近は売れている彼女なはずなのだが、とてつもない敵意を感じた。
すると坂本が段ボールを一箱抱えて戻ってきた。
「乙葉ちゃん、これ。ファンレター。一応全部チェックさせてるから今回は大丈夫だと思うよ。」
「ありがとうございます。」
乙葉はテーブルに置かれた段ボールから1枚1枚開き、読んでは返事を書くを繰り返している。
「え、乙葉さん。これ全部読んで返事書くんですか?」
途轍もない枚数のファンレターが届いている筈なのだが、読まれないのが多数だと俺は思っていた。
「はい。返せるだけ返しています。折角私を応援する為に時間を割いて書いてくださったんですから、私も時間を割いて返してあげなきゃって思ってるんです。」
この瞬間、城戸乙葉のファンが1人増えた。
良い子だぁー!
なかなかいないよねこんな子。
こんな子が恨まれるなんてあるわけ無い!
犯人を絶対に見つけ出してやる!
より一層やる気が出た桃太であった。
「キャー!」
暫くファンレターを読んでいた乙葉が悲鳴を上げた。
身体が小刻みに震え、口に手を当てている。
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