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ヒロとの出会い
中学の時いわゆる1匹狼だった
身体が弱くて学校休みがちだし
女子特有の仲間みたいなのも苦手
だけどすごく困る時もある
「2人ずつになってー」
先生にこう言われると本当に困る
1人でポツンといると声をかけてくるのが必ずと言っていいほど美優だった。
「ペアになってもいい?」
「…うん。」
こうやって声をかけてくれるのはすごく嬉しくて…
「じゃあ手を繋いで座っててくださいー」
先生の指示どおりに座ろうと手を繋ごうとするとーー
“パシッ……”
「あ……ごめんなさいッ…」
先生の指示通り手を繋ごうとした瞬間、伸ばした手を振り払われた
「てか、そんなに嫌なら無理してペア組まなくていいから。」
「ちがッ――」
「先生、私気分悪いんで保健室行っていいですか?」
美優のほうを一度も見ずに保健室へ向かおうとすると
クラスの女子が美優に声をかけていたようで
「神田さん無理しないほうがいいよ。私たちとペア組もう。」
「そうだよ、そうだよ、私たちがいるじゃん。」
そうだよ…私なんかに構わなくても構ってくれる人たちがいるんだからいいじゃん…
その時は美優のことを安全に誤解していた
美優はただ偽善で私に声をかけてきたんだって
だけど本当は私と手を繋ぐの嫌なぐらい嫌いだって…
そんな風に思ってた
「今日は休みは神田か~誰か神田にこのプリント届けてくれないか?」
いつも美優に声をかけ仲よさそうにしている女の子たちは誰も手をあげない
「えっと…近藤、お前なら神田の家の近くだし持っていってくれないか?」
「え~何で私が…」
「お前仲がいいんだろ?」
「別に仲良くないですよ~」
「でもさ、ヒロ君近所に住んでるんだよね?行ってみたい!?」
「え!?本当!?それなら私もいくいく!」
ヒロって確か学年で一番カッコいいって言われていて、美優の幼馴染の…
そっか・・・この子たちはヒロに近づきたくて美優と仲よくしているんだ
友達ってわけじゃないんだ
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