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はっきり言って、ここまで付いてきた彼女に我慢するつもりはなかった。
だから、美里ちゃんが寝室の襖を開けた時、後ろから彼女を抱き締めた。
突然の俺の行動に、彼女が体を硬直させたのが分かった。
「……辻本さんと、本当に何も無かった?」
俺の問いかけに、美里ちゃんはぎこちなく首を縦に振る。
さっきまで、別の男に抱かれようとしてたんだよな。
なのに、のこのことアパートまで付いて来やがって。
これが嫉妬なのか、侮蔑なのか、自分でも判断出来ない。目の前の細い首を、唇の表面だけで味わうと、美里ちゃんの首はほのかに桃色に色づきはじめる。
「好きだったよね? 辻本さんの事」
また、彼女は首を縦に振る行為を繰り返した。
「子供の頃、俺が美里ちゃんを突き飛ばして怪我させちまった事、覚えてる? ……あの時の傷って、まだあるの?」
そう聞きながら、彼女のシャツのボタンを外すと、美里ちゃんは慌てて俺の手を抑えた。
「わ、渉君、私そういうつもりで来たんじゃ……」
そういうつもり?
じゃあどういうつもりだよ。
緊張しているのか、彼女の手が震えてる。
それに気付きながらも、俺は美里ちゃんのシャツを大きくはだけさせて、肩甲骨まで肌を露出させた。
「……痕、残っちまったな」
彼女の白い背中に、引きつったような小さな傷痕。
指でそっと撫でると、美里ちゃんは背中を反らした。
その反応を見て今度は背中に唇を這わせてみると、彼女の口から小さな呻き声が溢れた。
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