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わたしだけ先に切なくさせないでって、言ってるのに…。もう。
わたしは今ひとつ力の入らない身体を、先輩の指の動きに耐えつつ姿勢を変えた。
「あっ、…こら、アキ」
先輩が慌てて呻く。わたしは先輩のを手のひらで包んで柔らかく撫で回し、口を近づけた。
「駄目だって。そんなこと…、するなって。もう…」
舌を遣って、何とか先輩を気持ちよくさせようといろいろしてみる。先輩が喘ぐのが聞こえて、よし、と力を得て更に口の中に全体を含んで激しく柔らかく舌を駆使してみる。あっと言う間に口の中に収まりきらないほどになっていく。
「あぁ、…アキ…」
「先輩。…感じる?」
不明瞭な声で尋ねる。
「そんなに舌、遣うと。…もう…」
口だけでもいいけど、もうここまで来たら今日はいろいろしてあげたい。わたしなりに。
口を離すと、先輩に仰向けになるよう手で促し、わたしはその上に跨った。耳許に口を近づけてそっと囁く。
「今日は、わたしのする通りにして…」
「アキ…、そんな、ああ…っ」
ゆっくり、焦らすように腰を遣っていく。先輩が動きそうになるのを押し留め、わたしのペースで動く。ああ…。
「先輩。…わたし、いい?」
「すごくいい。…アキ…」
わたしの下で切ない表情で悶える先輩が全部見える。それだけでもすごく、…あぁ、もう。
濡れちゃう…。
「…先輩。まだ駄目。…もっと」
「あっ、もう、無理だって。アキ…そんな、動くと」
「いや、いやぁ、もっと」
そう声を出しつつ、先輩を含んだ腰を激しく動かす。すごくいい。でも、もっと欲しい。
「…あっ、アキ!…」
先輩の身体が跳ねるように震えた。わたしの身体を求めて腕を伸ばし、しがみつく。身体を震わせて余韻を味わっている。先輩の出したものがわたしから溢れ出した。
「先輩。…よかった?」
わたしはぐったりした先輩に覆い被さって優しくキスした。先輩をいかせた。なんか、すごく嬉しい。
「…ごめん、アキ」
「謝ることなんか…」
「だって、お前、まだ」
わたしは先輩の上に乗って、ぎゅっと抱きついた。
「いいの、そんなの。…女はね、自分の身体で男の人が我慢できなくて早くいくのも実は嬉しいの」
「…そんなもん?」
今ひとつ納得できない表情で呟く先輩。ぼそっと付け加える。
「まだ、とか、もっと、とか言ってたくせに」
「そういうこと言わないの。だって」
わたしは先輩の唇に甘くキスした。
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