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「では、今後の事を含め、Miss.相原にいくつか話したいことと“確認”したい事がある。……良いかな?Miss.相原。」 クスクス笑う副社長の横で極めて冷静にローレンツ様がそう私に話しかけてきた。 “……確認……” 私はその言葉に、ここに呼ばれた意図を感じ、若干身構えるも2つ返事で答えた。 「Miss.吉井。しばらくMiss.相原をお借りできるかな?」 その問いに吉井チーフは歯切れ良く快諾すると、次のスケジュールをサクッと確認し、深々と頭を下げ部屋を去ろうと私に背を向ける。 “えっ!?……ちょっと待ってチーフ!ここに一人、置いていかないで~!!” 私は去り行く吉井チーフの後ろ姿にそう心の中で投げ掛けるも、無情にも閉ざされる扉を見送るだけだった。 「さて……」 “ビクッ!” ローレンツ様の通る声に思わず怯える私。 この美の高い空間に、ただでさえ居場所の無さを感じていると言うのに、どんな話しと確認をされるのか……。 正直私は、不安を覚えていた。 「Miss.相原……先ほど私が聞いた質問を覚えておいでか?」 それって……“何に代えても副社長に仕えるか?”って、やつだよね……!? 「……はい」 私の答えに、1つ頷くローレンツ様。 「では、先ほど述べようとしていた気持ちに違いは?」 “…………” しかし私は、先ほどの様に素直に肯定出来ず、思わずローレンツ様から視線を外す。 これが即答出来ない事が問題なのは分かっていた。 でもどうしても、私の第六感が秘書としての忠誠心だけを問われているわけではないと感じていた。
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