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「お…おんみを?……おまもり……」
衝撃的な発言を受け、私は驚きの余り子供のようにその言葉を繰り返した。
しかしローレンツ様はそんな私を気にも留めず、つらつらと言葉を連ねる。
「申し訳ないが、貴女を個人的に調べさせてもらった。その結果、家系においても文武においても基準をクリアーし…」
「ちっ…ちっちょっと!ちょっと待って下さいローレンツ様っ!?」
“調べた?家系に文武…!?基準って!?”
話の前から既に頭はぐちゃぐちゃだったけれど、これ以上は話を追うことさえもできなくなりそうで、私は思わずローレンツ様の話を打ち切るように声を上げた。
「ん?なにか?話はまだ終わってはいないが…」
そんな私に極めて冷静にそう返すローレンツ様。
私はそんなローレンツ様を前に、自らを落ち着かせるように胸に手をあてると恐々と口を開く。
「あ…あの…。申し訳ないのですが…私、全く話が見えません…。調べたって一体どういうことなんでしょうか?調べられるような事を私がしたということですか?……いや、それよりも…お側役って…副社長の御身を御守りするって…?私がですか?でも私は副社長の秘書としてこちらに……」
口を開いたら疑問点しかなく、そんなつもりはなかったもののローレンツ様を問いただすような言葉が口を継いだ。
「貴女の驚きは無理もない。確かに貴女には副社長の秘書として来ていただいた。しかしそれは表向きの姿として…どうか“深くを問わずに”Mr.Jのお側でその御身を御守りいただけないだろうか。」
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