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「Mr.Jのお父上は国王陛下の弟君……。紛れもなく王族の直系で唯一の爵位を継承なさるリチャード・K・ロイド公爵殿下で在らせられる。」 “!!” 「そして…Mr.Jはその由緒正しきロイド家で、全権を担われる爵位を継承される御嫡男、ジョシュア・J・ロイド閣下で在らせられるのだ……」 “か…閣下…?副社長が…閣下!?” ローレンツ様の言葉に瞬きを繰り返しながら硬直する私…。 もはや驚きを通り越して、思考が停止しかけていて何も言葉にできない。 「Miss.相原…。驚かせてすまない。このようなバックグラウンドがある故、あまり素性を知られたくは無かったんだが…貴女の言うように、敵が何処にあるのかも分からなければ確かに不安にもなるだろう……」 って、副社長! こんな事実聞かされたところで、敵の見当なんか余計につきやしませんよっ! ……身を置かれている立場が違いすぎます…… 「あ…あのぉ……、お話しを伺っておいて…申し訳ないのですが……やっぱり……」 「無理とは言わせない。こちらも、貴女を信頼して全てを打ち明けたのだ。その誠意に貴女も報いていただきたい。」 副社長の素性にたじろぎだした私はおずおずと、口を開き逃げ腰になる。 しかし、これまた凛とした声に呆気なく一喝された。 「……ですよねぇ~……」 半ば返答がわかっていたた私は、弱々しくもそう答える。 「Mr.Jの御側に付いていただくのは、公爵の爵位が確立するまでの間。リチャード公爵が再び公務を担われるか、もしくはMr.Jが公爵を即位されるか…そのどちらかが確定するまでだ。」
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