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「き…聞いてないですっ!聞いて無いですよ!私っ!!そんなは話しはぁ~!!」 驚きと困惑にその身を震わせながら、私はローレンツ様にそう訴える。 「確かに話してはいないが、側役とはそう言うものだが…」 “へっ!?” 明らかに違う温度差で、沈着にそう答えるローレンツ様。 そんな彼に私は思わず拍子抜けする。 「第一、他の者に始終怪しまれないよう側に付けるようにと、秘書と言う肩書きで側役を置くことにしたのだ…」 いやいや… そんな話しも聞いてないですけど…… 半ば涙目になりつつ心の中でそうローレンツ様につっこむ私。 「でしたら、別に側役は男の方でも良かったのでは無いですか!?」 しかし私も負けじと赤ら顔のままそう食い下がった。 「言ったであろう。これは他の者を欺く思索。新たに付く秘書が護衛だと悟られぬ為にも護衛らしからぬ存在でなければならない。だからこそあえて社内の者から選抜し、異動と言う手続きを踏んだのだ。ここまで回くどい手を使ったのだ、もはや男を起用するはずもあるまい…」 なるほど…… 確かに、社内異動で付いた女性なら敵も護衛とは思わないか…… って!! 違うっ!!違うっ!! 納得している場合じゃないだろ~!! ど~するのよ~私~~っ! だいたい…なんで私がこんな目に…… もはやこの状況にそう呪いつつ、私は困惑の表情を浮かべた。 すると、そんな私の心を読み取ったかのように、ローレンツ様は口を開いた。
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